みんなの田んぼ活動のこれまで
みんなの田んぼ活動は、活動の理念を元に2025年から始まった新しい取り組みです。年間を通じて、松の実保育園の関係者を中心に地域の方々も加わって活動しました。
圃場の面積は1800平米(一反八畝)、水源は深井戸、園児が安心して田んぼ活動ができるように、また、生き物との触れ合いができるように、無農薬・無除草剤で栽培し、田植えは全て田植え体験参加者による手植えで行いました。
稲刈りは、全収穫量の15%を稲刈り体験参加者による手刈りとハザ掛けで行いました。
私たちが日常口にするお米は、一般的には慣行農法で栽培され、田植え機、コンバインを使用しています。しかし、私たち「みんなの田んぼ活動」は、あえて昔ながらのやり方を採用しています。
2025年の活動実績は下表のとおりです。
| 活動時期 | 内容 |
|---|---|
| 5月11日、18日 | 田植え体験実施(延べ120名が参加) |
| 6月、7月 | 有志で田んぼの草取りを実施 井戸水で水遊び、薪割り体験を実施 |
| 8月上旬 | 鳥避けカイトの設置 |
| 9月7日 | 稲刈りイベント開催(役40名が参加) 草刈り鎌による手刈り、紐で束ねてハザ掛け コンバインでの収穫は別日に実施(9/13,9/16) |
| 9月16日 | ハザ掛けした稲束の脱穀 籾摺りして玄米にします |
| 10月 | お米(玄米)の販売 |
| 10月11日 | 松の実保育園園庭で実施する 「秋を楽しむ会」で新米の炊き出し |
| 11月 | トラクターによる耕転、地ならし |
| 11月23日 1月25日 | 田んぼで焼き芋会を開催、籾殻燻炭作り |
写真で振り返る田んぼ活動
田んぼを借用できることが決まったのが2025年3月末。4月に入ってすぐに、作業に取り掛かりました。圃場の草取り、代掻きの準備、苗の手配、コンバインの手配などを急ピッチで進め、5月11日の田植えを迎えました。
稲作には八十八の手間が掛かると言われます。3月時点で1年間の計画を立てていましたが、初めての場所での無農薬、無除草剤での稲作は、まさにそれらの手間を一つひとつ踏まえる必要がありました。
4月の下旬、友人と畦塗りと代掻きを行い、田植えができる状態に整えました。





手作業による畦塗りは、かなりの労力を必要としました。二日間に分けて行い、ゴールデンウイーク中に行った代掻き当日は、畦塗りと共に4人で1日掛かりでの作業になりました。トラクターの使い方を地主さんから教わり、1800平米の面積を二人で分乗して合計2回、代掻きました。
代掻き終了後、あわやトラクターが横転しそうな場面がありましたが、友人と地主さんの協力で、ロープと車で牽引して事なきを得るという場面も今となっては良き思い出です。

そして、みんなの田んぼ活動の記念すべき第一回目の体験活動「田植え体験」を5月11日に実施。二回目の活動として田植え体験を5月18日に実施。この二日間で、1800平米の田植えを完了することができました。
田植え体験は、どろんこになって遊ぶ親子も子供たちと、泥に足を取られながらも懸命に田植えをする大人の活躍があり、日頃は感じることのできない体験活動となりました。当日ご参加くださいました皆様、本当にありがとうございました。


無事に田植えが終わったからと言って、安心はできません。ここからが苦行の始まりと言っても過言ではありません。なぜなら、この田んぼは、無農薬、無除草剤でやることを決めていたからです。これだけ広い面積ですから、生えてくる雑草の量も半端ではありません。
水を張っていても、草は容赦なく生えてきます。畦道も、気づけば青々とした草原と化してしまいます。加えて、水の管理をこまめに行い、草の生え具合を最小限に抑え、稲の成長促進を図る必要があります。
この田んぼの水源は深井戸水です。地下30m以上の深さから汲み上げる水は冷たく、年間を通じて15度前後の水温を保っており、水質も抜群に良い為、適切な水管理ができればかなり品質の良いお米を作ることができるポテンシャルがあります。


5月に実施した田植え体験に参加した方々が、平日の早朝に田車という除草専用の器具を使って除草作業を手伝ってくださいました。この作業は大変に重要で、稲の背丈が高くなる前にこの除草作業を行うことで、稲が大きくなった時の草の生え方をかなり抑えることができます。






いよいよ、待ちに待った稲刈りの季節。5月にみんなで泥に足を沈めながら植えた小さな苗は、夏の光と雨を受けてまっすぐに伸び、黄金色の穂をたわわに実らせました。
様々なご縁が繋がって実現した、みんなの田んぼ活動。お陰様で稲は、初年とは思えないほど順調に生育しました。
無農薬での栽培に挑戦し、草取りや水管理、スズメへの備えなど、思い通りにならない自然と向き合う大変さもありましたが、多くの方々に支えられるともに、カエルやトンボが戻る風景に何度も喜びをもらいました。

稲刈り体験は、単なる「収穫体験」ではありません。自分の手で鎌を握り、束ね、はざ掛けをする一連の作業は、命の循環を肌で感じる学びそのものでした。
田んぼでの体験活動は、日常の暮らしでは得られない学びを得るのに最適です。
また、田んぼ活動を続けることは、四季折々の里の景観と生きもののすみかを守ることでもあります。保育園の親子をはじめ、近所のおじちゃんおばちゃん、学生さん、転入してきたご家族など、世代や立場を越えて手を動かす時間は、地域のつながりを確かなものにします。


2025年は、天候に恵まれました。台風が一度も来なかったため、稲が薙ぎ倒されたり水没したりすることなく収穫を迎えられました。一方で、夏の暑さは厳しく、今年作付けしたコシヒカリは暑さに弱いため、夜間に冷たい井戸水を掛け流しにするなどの工夫をすることで稲を守りました。
また、昨今、稲カメムシによる被害の拡大が各地で問題となっています。カメムシに稲の穂を吸われると米に黒い斑点ができるため、見た目が悪くなり等級が落ちます。特に、無農薬で作る田んぼではカメムシの防除が難しく、黒い斑点米を除去するために「色選別機」という300万円程度の装置を導入を余儀なくされる農家さんも多いのが実態です。
みんなの田んぼで育ったお米は、カメムシの脅威にさられながらも、幸にして綺麗な状態に仕上がりました。

曇り空の寒い日に、籾殻燻炭器を活用して焼き芋を作りました。写真の奥の方では、フェンス沿いにサヤエンドウの種を蒔いています。4月には、たくさんのサヤエンドウが収穫できる見込みです。
地域の皆さんに支えられ、2025年の「みんなの田んぼ活動」を無事に終えることができました。有り難うございました。
